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【開催レポート】高速画像処理技術応用のためのワークショップ -高速ラインにおける全数/外観 検査システムの実現-

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【開催レポート】高速画像処理技術応用のためのワークショップ -高速ラインにおける全数/外観 検査システムの実現-

カテゴリ: ニュース・ブログ 作成日:2019年11月11日(月)

お客様とともに、「高速ビジョン」によるソリューション開発を

 

 2019年10月15日に、高速画像処理技術の普及・実用化を目指す「WINDSネットワーク」と連携し、高速ビジョンを活用した技術の実装に向けたワークショップを開催しました。当日は、東京大学 伊藤国際学術研究センターに、全国から約40名の方々にご来場いただき、高速ビジョンの最新動向に触れていただく機会となりました。

 

会場全体

 

はじめに、当社 代表取締役 藤井照穂より、開会のご挨拶を行いました。

Fujii 「WINDSネットワークは、東京大学・石川研が開発する、世界をリードする高速画像処理技術を様々な分野に展開し、日本を活性化することを目指し、新規事業の創出をミッションに、2016年2月に発足しています。

 このミッションの実現をめざし、当社では、2018年1月にから、高速画像技術を実装するための開発環境となる「HSV SDK(High Speed Vision Software Development Kit)」の提供を開始しました。

 これは、毎秒1,000フレームの高速センシングで、対象物の検出と追跡を実現する高速ビジョンセンサー「IMX382」を搭載し、容易にリアルタイム制御ができるアプリケーション開発を可能にするものです。現在は、ファクトリー・オートメーション(FA)、スポーツサイエンス、マルチメディアの分野で、お客様とともにソリューション開発を進めております。

 日ごろ、お客様とお話する機会ごとに、高速ビジョンには期待しているので、さらにどう実現・実装するかをもっと知りたいというお声をいただきます。そのため、本日は、実際にご覧いただけるよう、高速ラインで外観検査をするデモンストレーションをご用意しました。デモの後では、皆様の課題をご一緒に考える個別相談会を予定しています。ぜひ、皆様それぞれの事業領域で、どう具体的に実装するかのご理解を深めていただけたらと思っております。」

 

産業ロボットや人間の精度を高めることに、「高速ビジョン」が貢献できること

 

 ワークショップのキーノートとして、東京大学 大学院情報学環 山川 雄司先生にご講演いただきました。「高速画像処理技術を用いたFA・ロボットにおける実時間視覚制御」と題し、高速ビジョンの魅力や、現在のご研究の成果、そして、これからの展望について、お話いただきました。

 「高速ビジョンを用いることで、1ミリ秒での瞬間的な視覚情報処理が可能になります。例えば、高速な3次元の形状計測や、物体を止めずに外観検査をすることができるようになります。これが、高速ビジョンを用いる魅力のひとつです。もうひとつの魅力は、低遅延・高サンプリングであることです。従来のカメラを用いた場合には、サンプリング周期が30Hzであったのに対して1kHzになるので、制御がより効果的になります。ですので、高速ビジョンが注目に値するということになります。

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 いまロボットの主流は、溶接塗装、電気部品の組み立てなどに使われている産業用ロボットです。しかし、絶対精度は数ミリメートルです。この、従来の産業用ロボットを活用し、その手先に、新たにアクチュエータと高速ビジョンを搭載して、手先のモジュールで高精度と高速を両立させることができます。

そうすれば、モジュールの追加だけで、従来のロボットの性能を格段に向上させることが可能です。設備投資という意味では、追加モジュールだけで実装できるので、コストが抑えられると思いますし、高速に情報をとらえますので、予測学習は使わなくてよいため、複雑な処理もなくて済みます。

このテクノロジーは、多品種少量生産に適したものや、人間・ロボット協調にも、今後応用できるものだと考えています。なお、日本機械学会ロボティクスメカトロニクス部門で掲げている2023年までに達成すべき技術目標は、この時点ですでに実現しています。高速ビジョンにより、速度面で視覚情報処理は十分なレベルに達しています

 産業ロボットや人間の精度を高めるには、新規のアクチュエータ開発が今後は重要になってきます。

 今回は、“高速ビジョン+アクチュエータ”を使った、産業ロボットの知能化、人間ロボット協調についてお話しました。アクチュエータの開発は、大学側だけでは難しい面もありますので、企業と共に、今後開発していかれたらと考えています。」

 

高速ラインにおける全数/外観 検査システムの実現

 

  続いて、当社 インダストリーソリューション事業部長である黒田直祐が、「高速ラインにおける全数/外観

検査システムの実現」をテーマに登壇しました。

 

 高速ビジョンのコアデバイスであるビジョンセンサー「IMX382」は、感度が良く、低消費電力であるという特徴があります。センシングモードとビューイングモードをそなえ、画期的な2層構造を備えたデバイスです。特にセンシングモードでは、500 fps、1000 fpsのみならず、2000 fpsモードも備えており、0.5ミリ秒ごとに撮像とデータを取得することができます。

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  お客様とともに高速画像処理技術のライン実装に向けて開発を進める中で、適切な光学環境と観測パラメータを設定できることが、エクスビジョンの強みのひとつです。面積、重心座標、色や明るさの情報を適切に得るための光学的な条件を整えて、二値化した画像からセンシング情報を得るしくみを利用します。高速ビジョンを実際に活用するためには、安定したセンシング情報を得ることが重要です。 

 

一方、企業のソリューション開発は、装置の購入、自社開発、外部委託などによる事が一般的です。自社開発では、メリットは大きくてもスキルやリソースの確保が難しくなかなか投資まで踏み込めず、既製品を入手して多少のアレンジを加えて使用する、或いは外部委託を選択する企業も多いかと思います。当社では、自社開発のメリットを活かしていただける開発支援環境(ソリューションパック)を導入することで、自社開発のデメリットを軽減できるのではないかと考えます。

 

 今後、当社では、複数の作業工程に対応できるソリューション・パックを開発してまいります。製品版ソリューション・パックも来春リリース予定です。当社のソリューション・パックをお使いいただければ、最小限のリソースで、開発ができます。それを用いてフィージビリティ・スタディを行い、スムーズに実装へ移行できます。今日、この後に予定されている個別相談会でいただいた課題やご意見をもとに、さらにソリューション・パックの改良を進めていきますので、ご期待ください。

 

 

計数+検査/高速計数/寸法計測のデモンストレーション

 

 高速ビジョン技術を使うと、高速に移動するワークの状態を、センシング情報により把握することができます。そのため、これからデモをご覧いただきますが、ラインを高速に流れてくるアイテムを数えたり、異常や不良を検出し選別したりできるようになります。

 

 今回のデモンストレーションでは、錠剤を毎時180万個計数できるように仕立てています。ビジョンセンサーでは観測枠を任意の6か所に設定できるので、1つのカメラで6つのラインセンサーとして機能します。低予算の作業工程では、なかなか全数検査は実現できませんが、今回紹介する方法ではそれが可能となり、生産効率と品質向上の両立が実現できます。

 

 

薬品や食品の分野ではワークが高速に流れるため、これまではサンプリングによる検査が主流でしたが、最近では安全性や信頼性に対する意識が高まり、全数検査への要求が一段と強まっているということを聞いています。更に作業工程においても同様に、人の手がワークに直接触れないようにする必要があり、品質の確認や形状の把握を画像処理で置き換えられないかとのご相談をいただきました。お客様と共に現在、開発を進めているところです。

 

 今回ご用意したデモンストレーションのシナリオは、数を数えるデモ、色とカケの不良を発見するデモ、サイズ異常を検出するデモの3種類です。
これらの計数、検査(外観、寸法、カケなど)において、高速ビジョンの特長であるセンシング情報を利用した究極のエッジ処理が可能となります。高速・多列ということでいえば、錠剤のほかにもサプリメントに応用がききます。デモンストレーションのシステムにはPCが接続されていますが、これは主に結果表示のために使用されており、実際の計数・検査処理はカメラ内のビジョンセンサーでほぼ終わっています。

 

  

 このデモンストレーションでは、高速ビジョンセンサーを1000 fps(1秒間に1000フレームを表示)で使用しています。コンベアスピードは最高毎分45メートルで、毎フレーム毎には0.75ミリしか進みませんので、高速ビジョンの範疇ではかなり遅い速度設定となります。直径9ミリの錠剤では1個当たり12回計測、つまり12ミリ秒で1個が通過します。よって、1秒で83個が通過、83×6列で毎秒500個、1時間で180万個の計数が可能になります。我々の見立てでは1錠当たり6回計測(コンベアスピード毎分90メートルに相当)すれば十分とみており、その場合は毎時360万個の計数が行えます。

 

 今回はPCアプリの機能として、検出枠設定画面、検出結果表示画面を設定しました。また、OK/NG累積カウント、良品率、NG画像画面、ログ記録機能を備えています。デモンストレーション内容をもとに、お客様の課題に合わせて、実用に向けて開発を進めていくことになります。この後、ゆっくりデモンストレーションをご覧いただいたり、個別相談をしていただいたりする機会をご用意しました。参加者からは、積極的にご質問をいただき、エンジニアと対話しながらデモンストレーションをご覧いただき、高速ビジョンのファクトリー・オートメーションへの応用に、高い関心が寄せられていました。

 

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・検査工程でのスピードを上げ、生産性を向上させたいと考えているが、自社に開発ノウハウがないとお考えの方
・扱う製品のサイズ、形状、色などの認識精度に関連する課題から、全数検査はできないと考えている方
・自社全てのラインに検査システムを導入した場合、費用対効果面で負荷がかかると考えている方
・高速検査システムの導入に要する技術や知識が社内にない為、検討する事を躊躇しておられる方テクノロジーの導入により、課題解決・価値創造をお考えの方

 

ぜひお問い合わせください。
お客様の課題をお伺いしながら、既存のテクノロジーでは実現できなかったソリューションをご提案します。

お問合せ窓口
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